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2008年05月16日

コイノハナシ その5

その子のご要望にお応えして、
年賀状だけのお友達に戻って数年。

おっさんは、カワイイ女の子に会いたくて
休みのたび飲みに行き、
毎週競馬で何万円と使い、
勝って飲み、負けて飲み、
すっかり酔っぱらいになっていた。

そして…


阪神大震災は起きた。


おっさんの母親の店は全壊。
家は大したことがなかったが、
その前から体調を崩していたばーちゃんは
その年の夏に亡くなった。
後輩や同級生も何人か犠牲になった。

電車が止まったりしていた中、
おっさんは、友達に連絡して無事を確かめていた。
「お友達」その子にも…

おっさんは引っ越していたが、
その子の家は、前の「3丁目」のままだった。
「家は今まだ立ってるけど、危ないから出なあかんねん」
その子は、親戚のいる奈良へ行く事になった、と言った。

落ち着いたら大阪で飯でも喰おうや、と
おっさんは電話を切った。
何で俺誘ってるんやろ、と思いながら。

しばらく経って、2人は食事をする事になった。
その子は、若く見える、いい姉さんになっていた。

その後、また2人は会うようになった。
行きつけの店に一緒に行ったり、
その子のバイト先に行ったり。

ある日、おっさんは、食事の後、
その子を某宿泊施設に誘った。
え、あの…という感じながら、その子も来た。
おっさんが抱きしめると「友達もいいよ…」と言った。

結局、その日2人は結ばれなかった。
おっさんが飲み過ぎたせいか、
役立たずだったから。
ツメの甘い男である。


おっさんは1年半、一生懸命貯金した。
指輪とか買いたかったから。
でも、「夜の仕事」をするおっさんとその子は
なかなかリズムが合わなかった。

そしてまた、すれ違いが増え、
ある日、その子は
「御縁がなかったのね」と言った。
おっさんは何も言えなかった。

他の子が好きになっていたから…

結局おっさんは
その子の「一緒にどこまでも行く人」
にはなれなかった。
「途中まで帰る人」のままだった。

ある年の年賀状。


「私たち結婚しました」


その子は笑顔じゃなく、ちょっと緊張した顔だった。
優しそうな新郎は笑顔。
おっさんは97%の寂しさと
3%ちょっとホッとした気分で葉書を眺めた。
そしてまた飲んだ。

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コメント (1)

くう~~~(涙涙)


「縁」だよなぁ。

結婚はあと「そん時の勢い」です。
ちょっと寄り切られへんかったんやね。

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