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2007年11月24日

『昭和ブーム』と言われても

最近の『昭和ブーム』というのが、よくわからない。



団塊の世代には懐かしく、若い世代には新鮮ということなのだろうが、

僕のような昭和40年生まれの人間には、まったくピンと来ない。



僕らが物心がついた頃には、すでに日本のモータリゼーションは

かなり発達していて、国道を自動車がバンバン走っていた。



カラーテレビはほとんどなかったが、

白黒テレビならほぼどこの家庭にもあったし、

家庭用の電話も普及率は高かった。

冷蔵庫や洗濯機はもちろんのこと、

レコードプレイヤーもたいていの家庭にはあったようだし、

カセットテープレコーダーもあった。

中学生ぐらいになるとビデオも普及し始めた。

僕らが思春期の頃は、年々、消費者が快楽的な快適さを追求し、

生活が劇的に変化していった時代だったのかも知れない。



「モーレツから、ビューティフルへ」という

モノの豊かさから、心の豊かさを求める時代への過渡期で、

ちょうど“モノ”が世の中に溢れ始めた頃だったのだろう。

だから、今の『昭和ブーム』が懐かしくも感じないし、

でも、残り香をたっぷり味わっているから新鮮でもない。



僕たちの若い頃は、『レトロブーム』というのが、あった。

明治の終わりから大正時代にかけての古き良き時代を

懐かしむようなトレンドであった。

僕にとっては、こちらの方がずっとピンと来るのである。

それは恐らく“戦争”という過去と現在を隔絶する、

暗黒の時代があったからだろうと僕は睨んでいる。



戦後、とくに高度成長時代に生まれた僕たちにとって、

戦前の話は、遠い遠い異国のもののようなものである。

言ってみれば他人事のように感じられる。

けれども、今、ブームになっている“昭和”は、

僕らの記憶とは地続きで、決して他人事ではないのだ。

しかも、あの頃は、話題の映画がアピールしているような

“人の心がキレイな時代”だったかといえば、

決してそうでもないことも十分に知っているから、

感動に酔うこともできない。

いい人もいれば、悪い人もいる…これは、別に昭和でなくても、

平成の今だって、明治・大正だって、江戸時代だって、

戦国、室町、鎌倉、平安、奈良時代、いや石器時代だって同じことだし、

世界中どこに行ったって同じことである。



なんだか、どこにその面白みを感じ取ればいいのか、

戸惑うばかりの今の“昭和ブーム”なのである。

このブームを、僕はいったいどのように受け止めればいいというのか…



あ、無視してればいいのか。

そういう方法を忘れてた。





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コメント (1)

(´・ω・`)知らんがな

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