V-oyage.net
2007年09月29日

『マグマ大使』についての下衆な勘ぐり

僕たちが子供の頃の、懐かしの特撮ヒーロードラマに

『マグマ大使』がある。

ご存知、手塚治虫原作の巨大ヒーローものだ。

この作品は、マンガよりも特撮テレビの方が有名である。



敵の名前は“ゴア”。地球を征服に来た。



宇宙からの外敵と戦うために、火山の奥底の洞窟に住む、

科学者なんだか、仙人なんだか、志村けん演じるところの神様なのか、

さっぱりわからない謎の人物アースが、巨大なロケット人間を作った。

それが『マグマ大使』だ。

マグマ大使は、ロケット人間というだけあって、巨大ロケットに変身する。

その様は、合体こそしないが無茶苦茶なデフォルメといい

後の『ゲッターロボ』や『超電磁ロボ コン・バトラーV』に繋がると、僕は見ている。

そのマグマ大使には、『モル』という奥さんがいる。

モルは、マグマ大使のように巨大ではなく、普通の人間と変わらない大きさだ。



この物語の主人公は、マグマ大使ではなく、

後にアイドルグループ・フォーリーブスの一員となる

江木俊夫演じる『マモル少年』である。



あるとき、マモル少年が、マグマ大使が隠れている火山の奥底の秘密基地に迷い込む。

そこでアースがマモル少年を見込み、彼にマグマ大使を地上に呼ぶための笛を託す。

ここから、物語が本格的にスタートする。



このとき、マモル少年を見てモルが言う。

「なんて可愛いんでしょう。私たちにも、こんな子供が欲しいわ」というようなことを。

なんと、艶かしくも生々しいセリフなんだろう。

僕は、まだ年端もいかないガキであったが、

このシーンに妙に気恥ずかしさを覚えたものだ。

すると、マグマ大使でなく、長髪白髪の髭もじゃ爺さんアースが笑いながら言う。

「はははは。仕方がない。そんなに望むなら子供も作ってやろう」と。

すると、翌日には、子供のロケット人間ができている。

名前は『ガム』。けっこう子供たちには人気のあったキャラクターだ。



さて、物語の方に話を戻すと、ゴアが地球に送り込んだ怪獣が大暴れをし始めると、

マモル少年が、アースから託された小さな笛を吹く。

「マグマ大使ぃ〜 ピコピコピィ〜 ピコピコピィ〜 ピコピコピィ〜♪」と。

すると、火山の奥深くからマグマ大使が飛んできて、怪獣をやっつけてくれるのだ。

その笛は、1回鳴らすとガムがやってきて、2回鳴らすとモルがやってくる。

そして、3回鳴らすとマグマ大使がやってくるという約束事になっている。



しかし、僕はその約束事に妙な違和感を感じていた。

怪獣がやってきて都会のビルを壊したりしてるんだから、緊急事態じゃん。

そんなら、マグマ大使を呼ぶための笛を鳴らす回数は、

1回だけの方が合理的なんじゃないの?

電話でもそう。警察を呼ぶときの110番や消防車や救急車を呼ぶ119番は、

ダイヤルする時間を短縮するための工夫だったわけでしょ?

なのに、マグマ大使を呼ぶのには、3回笛を吹かなければならないのだ。



僕は、毎週、マグマ大使を見ながら、やきもきとしていた。

マモル少年が、笛を3回吹く間に、怪獣からの被害や“人間もどき”の妨害によって、

途中で途切れてしまったらどうするんだ…と。

しかもマモル少年は、ガムやモルを呼ぶときにはすぐに笛を吹くのに、

マグマ大使を呼ぶときだけは、「マグマ大使ぃ〜」と叫んでから吹くのだ。

あ〜、その時間がもったいない。僕は、毎度、毎度、ハラハラさせられていた。



流石に、マモル少年を演じた江木俊夫は、フォーリーブスで、

『ニッチもサッチもどうにもブルドッグ ワォ!』なんて、

派手なアクションで歌っていただけあって相当の運動神経はあったようで、

僕が案じていたマグマ大使の召還失敗というようなヘマはやらなかったが、

それにしても、なんとも不合理な違和感を拭うことはできなかった。



ところで、マグマ大使は、ロケット型ロボではなく“ロケット人間”であって、

喜怒哀楽の感情もあったのだが、“生殖機能”はなかったのだろうか。

ガムは、本当にマグマ大使とモルの間の子供だったのだろうか。

身長40mぐらいあるマグマ大使と、人間の女性と同じ大きさのモルの間では、

生殖することは不可能であろうことは歴然だ。

アースは、なぜ、モルもガムも、人間と同じ大きさに作ったのだろう。

劇中、マモル少年の遊び相手としてガムはそれなりに活躍していたが、

モルは、ほとんどアースのいる火山の秘密基地にいるばかりだった。

ひょっとして、アースは自分の煩悩を払拭するためにモルを…。



オヤジになると、ついつい下衆な勘ぐりをしてしまう自分がイヤになる。





--------------------------------------------------------------

最新の『Editor Said...』をお読みになりたい方は、V-oyageのトップページをご覧ください。

人気ブログランキング
コメントを投稿